指導者から

Q3

 私のクラブでは基本的に水温・室温共に30℃に設定しており、マタニティクラス、ベビークラスがある日は31℃に上げていますが、最近ベビークラスの会員の方から子供が寒がっているとの声をいただきました。

 私はベビークラスの担当ではないので分からないのですがベビースイミングを行ううえでの適正水温は何度くらいがよいのでしょうか?
 また、今以上に水温を上げると他のクラスや大人の会員にとっては少し水温が高いと思うので現状維持でいきたいのですが31℃ではベビークラスの赤ちゃんには良くないのでしょうか?
 このような質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。


A3
 

 ご質問に対してお答えします。
 スイミングクラブに限らず、日本の社会は、哲学・倫理より、効率的、経済的が先行してきた結果、子ども達の健全なる育成が、脅かされているのではないでしょうか。
 回りがしているから、会員増加のためとか、クラブにいる継続年数が長いからと、いうことでベビースイミングコースを開設しているように感じます。

 赤ちゃんは、水温への調節能力がまだ出来ていません。
 ですから、ベビースイミングの適温は32~33度です。
 この温度は、中性体温帯といって赤ちゃんの体温が維持できる水温なのです。

 私達(IISP)は、1972年に水泳の総合システム開発のため渡米。さらに、ベビースイミングを日本に導入するために、欧州・オーストラリア・アメリカに渡って、1976年ベビースイミングシステムを開発しました。
 ですから当初から水温はとても大切な事として、ベビープール(水深はメインプールと同じ)を設けてあります。
 経営者も、指導者も何のためにベビースイミングを行うのか、赤ちゃんの未来を含めた指導法を考えていただきたいと思います。赤ちゃんは未来の宝です。

 32~33度以外の低い温度で定期的に行う事は、単に風邪をひく・下痢をするにとどまらず、低体温が続く事により、慢性的な消化器系の弱い子になったり、低体温児になる可能性があります。
 低体温児がなぜいけないかといいますと、無気力になり易いからです。
 無気力は精神科でも治療が困難なのです。

 水温と空気は熱容量が違います。
 どういうことかといいますと、80℃の採暖室に入ることは出来ますが80℃水には入れません。
 ですから水温の1度差はとても大きいのです。
 メインプールだけで行うときは、コースロープで仕切り厚いビニールをプールの底までたらし、その部分だけ暖めるのです。

 この方法を取っているスイミングクラブがいくつかあります。
 また厚手の水着を着せたり、練習時間を短くしたり、寒がっていたら直ちに上げ体を温めることが重要です。赤ちゃんは、栄養と同じぐらい保温が大切です。
 我が子が低い温度のプールで行い、風邪をひいたり、下痢をしたりしてもベビースイミングを続けますか?
 低い水温で行う事は、体を鍛える事にはならないのです。

 体を鍛えるのは、プールから出たとき、シャワーまで・採暖室にいくまでの少しの間、少し寒い感じがすることで鍛えられていきます。
 冷たいプールで行っている会員の方からの苦情が沢山あります。
 どうぞ赤ちゃんのためのベビースイミングと考えていただき、対策を取っていただきますようにお願い致します。



Q2

 私の意見ではあるのですが、現在アフタービクスなど産後の運動が盛んになってきたり、日頃のストレスを発散させたいと言う声をきくので、お母さんもいい運動になるように基本のwalkinngを取り入れつつ、子供も水の感覚が感じられるようにしていけば、お母さんも楽しめるのでは・・と思い苦戦しながら行っています。
 まず、お母さんの笑顔をプールに取り戻せば、自然と子供もリラックスしてプールに入れると信じて練習の内容を考えています。

 毎週コーチ(といっても2人)でミーティングをして勉強をしたり、他クラブのやり方等と比較し、うちがウリにする事を考えていくことにしました。
 月齢別にカリュキュラムをつくりたい!と思うのですが現在会員数が23人ととても少なく、特に冬は毎時間5・6人といったとても少ない人数 の状態です。
 このような状態ではどうしたらいいのでしょうか?
 今一番の課題です毎週コーチ(といっても2人)でミーティングをして勉強をしたり、他クラブのやり方等と比較し、うちがウリにする事を考えていくことにしました。

 月齢別にカリュキュラムをつくりたい!と思うのですが現在会員数が23人ととても少なく、特に冬は毎時間5・6人といったとても少ない人数 の状態です。
 このような状態ではどうしたらいいのでしょうか?今一番の課題です。


A2
 

 ベビースイミングを赤ちゃん主体にするのか、お母さん主体にするのか指導者の考え方で違ってくると思います。
 なぜならお母さんの心地よいリズムと赤ちゃんのリズムは大きく違うからです。
 赤ちゃんに話し掛ける言葉はマザーリースといわれるようなリズムでゆっくりと語りかけると理解でき、コミュニケーションを楽しみリラックスしていきます。
 そして手足をたくさん動かし始め、水をおもちゃに遊び始めるのです。
 この行動を母親が見て共感し感動を覚えて笑顔が自然と出てきます。
 親子で共有できる楽しみかただと私は思っています。お母さんの楽しみとは何か、自分自身の運動なのかによってベビースイミングの方法は違うと思います。

 指導者の価値観の違いでもあります。
 ただお母さんのリズムで行うときは、「ゆさぶれっこ症候群」「水中毒」などの事故につながらないようにお願い致します。
 私の場合は、水とのかかわりの中で、より自然に愛着心が芽生え、水の不思議さと神秘さを肌で感じ、水と戯れ調和を楽しむ素敵な親子関係を築きたいと願って指導しています。
 その結果、赤ちゃん達は魚のようにスイスイ泳いでいます。

 指導してあっという間の25年でしたが、少子社会など気にせず、地域社会の皆様から、ご支援ご協力を得て会員数は200組以上を保つことが出来ています。
 私の指導に対する心構えが、会員数だといつも思っています。
 結果はクラブのためになっていますが、私自身が、赤ちゃんとどのように関っていきたいのかを優先し、そのためにどのような勉強が必要なのか考え追及しています。

 社会のニーズに合わせることは時として間違えていることもあります。
 人間のより自然な成長発達段階は何か、教育とは何か、人生とは?
 私もその結論はまだ見つかっておりませんが、周りのクラブばかりを気にしていても、楽しい指導は出来ないと思っています。情報としては必要なことですが。
 赤ちゃんの先生はどなただと思われますか。
 私は一番はお母さんお父さんだと思っています。インストラクターはお母さんお父さんのサポート役。

 たとえ5~6人のクラスだろうと、20人のグループだろうと個別指導が出来るのです。
 指導者が先生になって全体をまとめ号令をかけて統一するという、発想のスクーリングですとできませんが。

 基本的な月年齢にあったカリキュラムを、お母さんお父さんに提示して、お母さんお父さんが赤ちゃんの先生になればよいのです。
 お父さんお母さんは、我が子とどのように向かい会えば良いのか、どのように接したいのか考え話し合い、楽しく過ごす時間を作り出すのです。
 インストラクターは親に押し付けたり、指導したりするものではないと思います。
 インストラクターは、リーダーで、赤ちゃんの心の声を良く聴き、受け止める。お母さんお父さんの話を良く聴き受け止め、赤ちゃんの状況を理解していただく、相互のコミニケーションを図ります。
 言葉で説明は難しいのですが、お父さんもお母さんも赤ちゃんもインストラクターも、みんなそれぞれ好きなことをして、明るい笑顔で生き生きと楽しく遊んでいる。
 プールの雰囲気はこんなものです。
 ビデオでも見ていただくと雰囲気は伝わると思いますが。研修会に参加していただければ幸いです。



Q1

 担当し始めてまだ2ヶ月です。

 当クラブでは、今はっきりとした方向性がなく途方にくれています。他クラブを見学させてもらったり、お話を聞かせていただいていますが、どうしていくのがいいのか?わかりません。

 私もまだ20代半ばという事もあり、小さい親の立場での気持ち等がわからない部分もあります。
 私は、みんな一緒の事をやるのはそれぞれのペースがあるので、その子供にあった補助のやり方を教えてあげればいいとはおもうのですが、親が今どれだけできて次はどの段階をやればいいのか?わかっていた方が意欲がわくのかな・・・?と思ったりもして、stepカードを作ってみれば・・と思ったりするのですが、それは親にとって他の子供と比較してしまうので負担なのでしょうか?

 また、まだ会員数が、20人前後ということで3歳近い子も6ヶ月の子供も同じ内容をするから、6ヶ月の親は子供もできないことが多くなかなか楽しむまでにいたっていません。

 サブのコーチがフォローをし ながらやってはいますが、やはり年齢別にやっていく方がいいのでしょうか?


A1

 ベビースイミングに対してのクラブの方向性もないということは、本当にお困りのことだと思います。
 スイミングのインストラクターは、社会体育の指導者で教育者だと私は思います。
 会費を頂いて指導することはプロです。
 
プロとは何でしょうか?
 見よう見まねの事を行うことは事故にもつながりますし、指導者の立場としても、意義・目的が明確でない事は、子供と接する楽しみや、意欲も 半減する事だと思います。

 あなたが悩まれていることは当然で、勉強の必要性を感じられ、質問してくださったのだと嬉しく思います。

 疑問ももたずに私は指導者ですと言って、自分の考えを押し付けて指導している方が多いのです。
 その結果親子で悩まれ、メールをくださる親御さんが大変多いのです。発達段階の赤ちゃん・子どもたちにとっての関わりは、単にお稽古事では済まされないと思いますので、いろいろな角度からの勉強をしていただきたいと思います。
 6ヶ月の赤ちゃんと1歳を過ぎた子・ましてベビースイミングは、3歳までが対象です。発育発達の差が大きい時期の子を一緒のカリキュラム内容で行うことが異常です。
 楽しむことなど出来ないのではないかと貴女も感じていらっしゃるのですね。
 それを解決するためには、まず発育発達の勉強をしなければいけないと思います。

 心理・生理・赤ちゃんの病気等です。
 そのうえで年齢にあった水中運動はどのようなものか、それを行うリズムは・頻度は・時間は・水温は......月年齢別のカリキュラムが出来たら、標準化させ実際のスクーリングの流れを設定します。あくまでも画一指導でない、個々のお母さんが先生になった指導が望ましいと思います。

 stepカードを使用するしないにかかわらず、子育てには周りの子と比較して、競争意識や焦りは禁物であるという認識をもって頂くように、繰り返し繰り返し、ご父母の皆さんとレクチャーをする事です。
 我が子が、「何よりも素晴らしい存在なのだ・かけがえのない子どもなのだ」という意識を持って頂く事が、私たちインストラクターの役目なのです。